手書きの学習からデータベースでパソコンを使う方法へ変えよう

1.ワープロ、パソコンを使いこなす
一般に何かを学ぼうとするとき、教科書などをもとにして学ぶ。ところが、教科書などの印刷物は、肝心なところが2ページにわたって書かれていることが多い。極端にいうと人名などが、活字配列の都合だけで次のページに送られている場合がある。

そうすると、ページをめくらなければならず、非常に不便であり、頭にも入りにくい。
そこで教科書の中の必要な情報を一覧にするのがよい。どこにいても見られるようにコンパクトに整理してカードにしたり、一覧表にまとめておくと、いつでも取り出して見ることができる。

従来、手書きで行っていた作業を、ワープロやパソコンでデータベース化して、いつでも取り出して見ることができるようにするのは、実に効果的である。

手書きの一覧表では読みにくくなったり、一回書いて不備な点があると書きなおしたり、何かと手間と時間がかかってしまう。

それに比べて、ワープロなり、パソコンにデータベースとして、一度入力しておけば、いつでも必要な情報が出力できるし、加筆、修正または文字の大小も思うままにできる。また必要なものだけを抜き出すこともできる。

ワープロやパソコンは、いまや子どもでも使いこなしているものであり、特に、すでに他の分野で活用している人は、受験準備にも大いに活用することをお勧めする。

たとえば、カードで歴史の年表をつくる場合、普通、カードの表側に「年号」をカードの裏側にその年の「出来事」を記入する。

ただし、これだけでは、単なる記憶のための道具になってしまうので、答えのところに年号の「覚え方」もあわせて書いておきたい。たとえば、「1192年」は、「イイクニつくろう鎌倉幕府」といったように、年号の覚え方を記入しておくのである。

1192年に何が起きたかという質問に対して、カードの表の年号のところに、覚え方を書いておいたのでは意味がないので、これは裏側に「鎌倉幕府成立」という出来事と「イイクニつくろう鎌倉幕府」という覚え方の両方を記入する。

逆に「鎌倉幕府の成立は何年か」という質問には、表側にその覚え方があってはカードとして失格である。裏に、年号と覚え方の両方が必要になる。

このように、年号を見て出来事をいう場合と、出来事を見て年号をいう場合の、2種類のカードが必要になり、それだけでもつくるのに時間がかかってしまう。

それに対してパソコンのデータベースであれば、「年号」の欄と「出来事」の欄と「覚え方」の欄をつくって入力してしまえば、印刷するときに「このパターンで」と必要なパターンを選択することができ、1回の入力で2種類のものを、それぞれ印刷できる。また、カードで印刷でなく、一覧表での印刷ももちろんできる。

分類のための欄を用意して入力しておけば、同じ歴史(日本史)でも「アジアとの外交史」に関するものだけ、「ヨーロッパとの外交史」に関するものだけ、政治に関するものだけ、文化に関するものだけなどと、テーマごとの一覧表での印刷も一瞬にできる。

現代の出題の傾向は昔と違って、各時代ごとに横に切ったバラバラのものよりは、「日本と中国の関係について述べよ」というように、いわば縦断する形で、各時代を通してのテーマを与えられて、それについて答えるような問題が多くなっておりそんなときでも、パソコンのデータベースから「アジアとの外交史」とか「中国・朝鮮との外交史」だけを抜き出して、確認することができる。

2. また、英単語を単語カードにして覚えようとする人は多いが、これもデータベースの形にしておくと、単に通常のカードとして利用できるほか、通常の単語カードでは考えられなかったいろいろな使い方ができる。

たとえば、単語の中に出てくる「i」という文字は「アイ」と発音する場合と「イ」と発音する場合があるが、発音問題としてmine、fine、kick、のiは発音は同じかというような問題でも、データベースで並べ換えや検索をしつけていると、発音と綴りの関係に気づく。

データベースで「i」という字を含む単語を検索して一覧表にしてみると「i」を「アイ」と発音する場合の共通性、たとえば「i」の後が子音でその後が「e」で終わっていればfine、mineの場合。原則として「アイ」の発音になるなどにすぐ気づく。

それに気づくと、「i」の場合にかぎらず、「a」の場合も(「エイ」と発音する場合や「ア」と発音する場合があるが)、「a」の後が子音でその後が「e」で終わっていると(nameやfameなどの場合)、原則として「エイ」と発音することに気づく。それに気づくと。…といろいろなことがわかってくる。

さらに、一覧表については、アルファベット順に並べることも、教科書で出てきたページ順に並べることができるばかりか、品詞ごと、人名ごとなどいろいろな観点から検索や並べ換えての一覧表が瞬時につくれる。

このようにパソコンのデータベースの形式を活用すると、カード形式でも、一覧表の形式でも、自分の使いやすい形で利用できるというメリットがある。

次に、情報をカードにするということは、机に向かっているとき以外の時間を、いかに細かく、有効に使うかということになる。それこそ電車の中であろうが、遊びにいったときであろうが、いつでもポケットから取り出して活用できる。

従来の手書きのカードは、時間と手間が非常にかかった大切な小道具であるので、たとえば、水辺や雨の戸外などでは使うのには、相当の勇気がいる。

雨に濡れてびしょびしょになると、紙が変形したり破れたりするし、不注意で紛失したら大変、またつくりなおしである。

そういうことを考えると、カードを持ち歩くのは危険なので、ついつい大切にしまっておくことになり、せっかく活用できるはずの細切れの時間がムダになった、という経験をされた人も多いと思う。

ところが、ワープロやパソコンに入力しておくと、プリントアウトさえすればいつでも同じものが出てくる。また、複写機能を使えば、新たにカードをつくる場合も手書きよりはるかに早い

したがって、いま使っているものを紛失しても、水に濡れて使えなくなっても安心だと思えば、どんなところにも持っていけるので、それこそ、細切れの時間を有効に使うことができるのである。

何部でも同じものをつくれるので、安心して紛失できるということは、精神的にもゆとりが生まれる。そのぶんだけ時間も有効に使うことができるし、カードからの吸収力も非常に高まることになる。
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