人気の会社が理想の職場ではない!中小企業の魅力とは

人気企業=人気職場ではない
どんなにすてきに見える家でも、裏に回ればごみ箱もあれば、汚れものも積まれています。テレビに映される豪邸でも、カメラが回る前の何時間は、スタッフを総動員して、不必要なものを隣室に運んでいるから、あれだけきれいに見えているのです。

人気企業、有名企業に入ったら、かっこいい仕事、やりがいのある仕事ができる、と思うようでは単純すぎます。どんな会社でも、地味で単純な仕事が8割、華やかな部署が2割、と覚えておくことです。

刑事もののテレビを見ていて、警視庁に入りたいと思う男女学生も多いでしょうが、本庁の花形刑事になれる確率は、ごくごく小さいと考えなければなりません。よしんばなったとしても、毎日毎日、地を這うような地道な聞き込みばかりです。

多くの受験者は、夢を見てしまうのです。かりに100人入ったとしても、自分だけはその100人のうちの10人に選ばれて、すてきな職場に配属されるような錯覚をもつものです。

なぜそういうかといえば、「きみはファッション誌の志望ですが、会社には総務もあれば、営業もあります。そちらに行けといわれたら、どうしますか?」この質問は出版社で必ず出るものです。他の業種でも同じような念押しが、面接委員から出るはずです。

これに対して、「もちろん行かせていただきます。御社に入社したいのが希望ですから」こう答える受験者が、ほぼ全員に近いでしょう。受験者は「これは会社側の脅かしで、そちらに行かせられることはない」と、心の中で思っているからです。

ところが入社早々、思いがけないことに、「営業部網走支店勤務」「総務部倉庫勤務」を命じられると、もうそこで動揺してしまい、その日からやめたいと考えるようになるのです。

ここで受験虎の巻を公開すれば、
・なにがなんでも、会社そのものに入りたい
・志望の部署以外だったら断わる
・志望の部署だったら、正社員でなくてもよろこんで承知する


この3つに分けて受験することです。ともかく「その企業に入るのが目的」であれば、どんな条件を提示されても、そこで考え込むことはないでしょう。相手は、あなたの小さな動作や目の動きも見逃しません。それこそ「トイレ掃除」だって「夜警」だって、やる覚悟があれば、その熱意は感じてくれるものです。

これに対し、志望の部署以外をほのめかされたら「断わる」勇気も大切です。なぜなら、万一、気に染まない部署に行かされてからやめるようでは、人生の最初につまずくことになるからです。

そのためには志望企業を10社にしぼったときに、順位をつけておけば、迷うことはなくなってきます。

もし面接側が、あなたを落とすのは惜しいと思ったら、あなたの勇気を買ってくれるでしょう。さらに準社員からでもいいですから「私を使ってみてください」と、訴えるのも一法です。採用側は、そういう熱意を、ことのほかよろこぶからです。


スタート時の未来は、全員平等
はっきりいえば、希望通りの会社に入れる人は、試験前に決まっているようなものです。学校でも同じです。開成、灘、桜蔭、女子学院などの高校生なら、受ける前から東大をはじめ、行きたい大学はほとんど行けるのです。

彼らは、ほぼ希望通りの人生を歩めるでしょう。しかし残念ながら、それらの人々は少数です。

もう一種類、希望が通る学生は、親の七光り族です。銀行、証券、広告、テレビ局、出版社は、そんな息子と娘がごそごそいます。

あなたは、そんなラクな道は歩けないのではないですか?だから希望が通らなくても、絶望してはならないのです。

特に大学の場合は点数制であり、落ちたときは実力の不足と、自分を責めればいいのですが、企業受験の場合は、採用人員20名の中で、10名は最初から縁故で決まっていることもあり、落ちても実力不足とはいえません。

とはいえ、入れないことはたしかであって、そのときは、別の会社をさがさなければならないでしょう。しかしここがおもしろいところですが、希望通りの会社に入れたから、すばらしい未来が約束されるかといえば「ノー」です。

かりに今年ソニーに入社したからといって、「ばんざい、ばんざい」とはいきません。
スタート時点の未来は、全員平等なのです。そこで、希望通りにならなかったときの歩き方を考えてみましょう。

・その業界の1位がムリだったら、思いきって10位以下を狙ってみる
・希望の会社と、分野がまったく違う会社は受けない
・落ちた理由をよく考えて、来年再受験するか、第二の才能の道を行くかを選ぶ


1位がムリの場合、2位、3位には行かないほうが無難です。
2位、3位はのちのち合併などによって、会社そのものがなくなる危険性があるからです。合併企業の場合は、必ず上位側に食われます。このことだけは真理です。下位の側は、合併となったら、もう出世の芽はないか、ぐっと遅れることを覚悟しなければなりません。

その点、10位以下は独立心が旺盛のケースが多い、といわれていますし、できれば将来、株式市場に上場するプラス面に目を向けるのもいいでしょう。

銀行の大企業と製造の大企業、といった選び方は、基本的には損です。面接でも、その点を突かれると、答えに窮するでしょう。面接側を納得させる受け方も必要なのです。

どうしてもA社に入りたいという場合、理由によっては留年して翌年、もう一度受けることも考えられます。これは一種の賭けですが、やめるほうがいいと思います。万一、これで失敗すると、心に傷を負うだけでなく、人生そのものを迷わせてしまうからです。


中小企業は選び方次第
中小企業ほど、玉石混交のところはありません。入社したとたんに潰れてしまう会社があるかと思えば、超スピード出世できる企業もあります。これを見抜く目さえあれば、大企業に就職するより、はるかにおもしろみがあります。

ハーバード大学といえば、世界最高の大学といっていいかもしれませんが、この大学の卒業生やMBA取得者は、大企業に入るより、あえて中小企業を選ぶといいます。またその種の勉強をよくしていて、大企業の一個の歯車になるのを、いさぎよしとしない高い理想をもっているのです。

また中小企業のほうも、ハーバードの学生から目をつけられたということで、一挙に燃え上がるのかもしれません。その点、日本の学生のほうが「易きにつく」といって、楽をして出世したいと思っているようです。これが「寄らば大樹の陰」という、安全思想を形づくっているのでしょう。

言葉をかえれば「努力しなくても成功する」道を歩きたがるのです。しかし、高度成長時代はともかくとして、いまのような低成長時代には「努力して成功する」道を歩くのは当たり前であって「努力しても失敗する」ことも覚悟していなければなりません。

また努力して失敗しても、それはその本人にとって、大きな勉強になります。なぜ失敗したのかその理由や原因がわかるからです。次にその失敗を繰り返さなければ、結果として成功を収めることができるのです。中小企業に就職するということは、その楽しみやプラスがあると思うべきでしょう。

そこで中小企業に行くときは、
・その仕事が、これから10年間に必要になっていくか?
・経営者をメンターとして尊敬できるか?

この2点に注目し、あとのマイナス点は一切無視することです。

かりにボロビルに間借りしていて給料は少なく、賞与は出なくても、そのマイナスは、よろこんで受け入れる気持ちになるぐらいでないと、大きな楽しみはもてないでしょう。

もしその企業が単に、大企業の下請けであるなら、やめてもいいと思います。かつての日産の例を思い返すまでもなく、親亀がこけたら小亀は死んでしまうのです。恐らくいまはカネボウという巨木が倒れたので、系列の下請けはその下敷きになって、息も絶え絶えの有様だと思います。

リストラは必ず下請け、系列工場から始まります。現在どんなに景気がよくても、そんなことを信じてはなりません。人生の一番大切な時期、あるいは一番金のかかる時期に、不運は襲ってくる危険性があるからです。

そういう選び方でなく、いずれ必要になる製品をつくって売っている中小企業であるならば、経営者の考え方も前向きです。そういう小さな会社を見つける努力をしてみようではありませんか。


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