1.ナチュラリストの先頭に立つ自然観察指導員

フロンガスによるオゾン層の破壊、炭酸ガスなどによる地球の温暖化、森林破壊、酸性雨、砂漠化と地球規模での異変が社会問題化している。これらの諸問題は国家間の協調なしには解決できないであろう。

しかし、フロンガスにしろ何にしろ、結局はわれわれ人間がより快適な暮らしを求め続けてきたツケである。

自然喪失の反動として起こった自然志向を受けて、各地へ野生動物のウォッチングに出かける人たちが増えているが、こうした自然接触が必ずしも自然保護の考えにもとづいているとは限らず、なかにはマスコミに踊らされて興味本位だけで参加し、あげくのはては地域の自然を知らず知らずのうちに破壊している場合さえあるのだ。

自然観察指導員制度はいわば草の根運動であり、自然とともに上手に暮らす人たちをより多く増やしていくことにある。

1人のナチュラリストが2人になり、それがやがて5人、10人になれば必要以上の自然破壊はやがてなくなるはずである。自然があってよかった、と思う経験を生まれてから一度ももったことのない人がいるとしたら、その人はおそらく自然を大事にしようとは思わないであろう。

自然に親しみ、自然に学び、自然を守る行動を、ささやかではあっても自分から推し進めていくことができる人を増やしていく努力が、今は必要なのである。

これが、本来の自然保護教育というものであり、自然観察指導員は野外で直接自然にふれる自然観察会を通して、自然をみんなに理解してもらうのが役目となっている。

自然観察指導員はこうした自然観察会活動をはじめとする野外活動のボランティア指導者として活動し、地域の自然保護思想の普及、自然のしくみを理解し自然を大切に思うナチュラリストの仲間づくりをしていく。

活躍の場ははじめのうち、家族、近所の人、職場、学校の仲間などを誘った身近な自然の中での自然観察が望まれるが、やがては県や町などの行政からの要望で派遣される可能性も出てくる。

一方、地域の指導者が集まったゆるやかなネットワークにより、個人ではできないことをやっていく自然観察指導員連絡会が組織されている。すでに8000人以上の指導者が登録されており、毎回定員を超える多数の応募があり人気は上々。

東京都の講習会は全国から50人、他道府県では同エリア内50名とエリア外10名の計60名で締め切りとなるため、早めに仮予約の電話をしたうえで、申し込みをするのが得策。

取得方法 日本自然保護協会・ナックスジャパン主催の講習を受ける。

参加資格 満20歳以上で、自然保護思想普及の必要性を強く認識し、自然保護教育をできるところから実践していく意欲があり、講習会2泊3日の全日程を受講できる者。

2.講習内容
〈第一日目〉野外実技指導は、自然のしくみを見にいこう―森を通して。
講義 ①なぜ、今自然保護なのか ②自然保護の考え方、自然保護の目的など。

〈第二日目〉①現地の自然を理解しよう ②生物の名前だけにこだわらないなど。
講義 ①自然保護教育とは ②指導員の役割と理想像 ③自然観察会の運営と活動の場など。

〈第二日目〉野外実技指導 ①テーマ探しとプログラムづくり ②実際に自然観察指導をしてみよう。
講習日程。講演地 各都道県で開催月、講習会場が異なるが、すべて2泊3日の日程で行われている。
この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!
メニュー表示