自分の勉強法の問題点を見つけないままテキストを読んでもダメ

1.自分に最適の勉強法の見つけ方
人から教えてもらった勉強法をそのままうのみにするより、自分に最適の勉強法を常に求め続ける姿勢は、短期合格には必要です。しかし、すぐに独自の勉強法のアイデアを思いつくことは、なかなか難しいことです。

なぜ、すぐに思いつかないかと言うと、それは問題点とその解決策を一緒に考え出そうとしているからなのです。問題点と解決策を区別することなく考えていれば、いつまでたっても明確なアイデアは浮かぶはずはありません。

ですから、まずは自分の勉強法の中で「何が問題だと感じているのか?」を明確にする必要があります。
この自分の勉強法の問題点を思いつくことは、真剣に勉強していれば、誰でも毎日のように1つや2つは思い浮かぶと思います。

それを思い浮かんだら、忘れないうちにすぐにノートに書き留めておく習慣をつけましょう。
具体的には、ノートを1冊用意して、そのノートの見開きの左側に問題点だけを箇条書きで書き残しておきます。関連がある問題点は、キーワードなどを必ず矢印で関連させていくように書き込みます。

また、問題点の書き込みは、必ず余白を空けながら行います。その際に、その解決策を考える必要はまったくありません。右側は白紙にしておきます。

この箇条書きは、自分の思いついた問題点だけである必要はありません。合格体験記や市販の勉強本を読んだ際に思いついた問題意識なども書き出しておくといいでしょう。

あとは、たまにそのノートを見返していくだけでいいのです。つまり、自分の勉強法の問題点を頭の中に明確に焼き付けておくのです。

こうしておけば、ふとした時(それは勉強していない時も多い)に、その問題点の解決策がニュートンの頭の上にリンゴが落ちてきたように思いつくのです。
それを忘れずに、該当の問題点の右側に書き出すのです。

頭の中がクリアでなかったり、悩んでいる時には、「何が問題点なのか?」を明確に意識できていないからなのです。
ですから、意識すべきことは問題点を明確に把握することであつて、その解決策は必要な時に自然に降りてくるというように考えています。

おそらく、今まで明確にした問題点の解決策をあとから思いつかなかったことはないと思います。しかも、この習慣を続けていれば、その解決策を思いつく時間が徐々に短縮されていくのです。



2.読み込むべきテキストの項目の一覧表を作成する
何の問題意識も持たず、ただテキストを通して読もうとすれば、なかなか最後まで読み切る時間がないのが受験生の実情だと思います。しかし、これではいつまでもその科目の全体構造の理解が深まることもなく、自信もつきません。

さらに、テキストの最初から読んでいると、いつも最後のほうが読めないので、どうしても知識に偏りが生じ、テキストの最後のほうが失点箇所になります。

そんな受験生にテキストの読み込み方として次の2つのポイントをアドバイスするようにしています。
① テキストの読み込みの回数は、章や項目ごとで把握すること。
②テキストの読み込む内容に段階をつけて、時間内に読み切る。
まず、最初のテキストの読み込み回数を章や項目で把握するためには、目次に上手に書き込む形でもいいですが、次ページのようにエクセルで読み込むべきテキストの項目の一覧表を作成するとより効果的です。

この一覧表を作成するうえでのポイントは、章や項目の分け方になります。
この分け方が章ごとなど、あまり大きいと「どんなことが書いてあったのか?をまったくイメージできませんし、項目を細かく分けすぎてしまうと、 一覧表の意味がなくなってしまいます。

ですから、項目に5~20分くらいで読み切れる分量で、テキストを分けていくのが理想です。
そして、それぞれの項目の読み切れる時間を記入することによって、その時にある勉強時間で読み切れる項目を選択して読むことが可能になります。

テキストは必ず最初から読む必要はないのです。最初のうちは、自分の苦手な分野もしくは読み込みの回数の少ない項目から、読み始めればいいのです。
次に、テキストの読み込む内容に段階をつけるとは、テキストの記述をすべて一度に目を通していく必要はないということです。

法律の体系的な理解を考えたら、たとえば1時間でその科目の全体構造を把握していくことを繰り返したほうが早く頭に入ってくるのです。
つまり、同じ時間をかけてテキストを読むなら、熟読よりも段階をつけながら読み切ることを繰り返したほうがいいということです。

たとえば、1回目のテキストの読み込みは、講義の板書をテキストに書き込んだ箇所を中心に時間内で最後まで読み切る。

2回目は、問題集等でテキストを耕したポイントを中心に時間内で最後まで読み切る。
3回目は、テキストの記述の中でたくさん蛍光ペンの引いてある箇所を中心に時間内で最後まで読み切る。
4回目は、テキストの大きな字の箇所でまだ蛍光ペンを引いていない箇所を中心に時間内で最後まで読み切る。
5回目は、テキストの小さな字でまだ1度も読んだことのない箇所を中心に時間内で最後まで読み切る。
このような形で、毎回重点をおいて読み込む内容を決めていくのです。

ポイントは、必ず時間内に最後まで読み切ることです。このことを繰り返したほうが、特にマークシート方式での試験での問題対応能力が向上します。


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