トレース技能検定は最終的に機械には頼れない仕事

トレース技能検定は最終的に機械には頼れない仕事
新聞や雑誌の求人欄を見るとよく目に入ってくるのが「トレース」という文字。トレーサーとは、製図家、設計技師、デザイナーなどの専門家が作成する精密な下書きを、透明紙などに誰にでもわかるように清書する仕事である。地図からプラモデルの完成図までその活躍の場は広い

技術さえ習得すれば比較的誰にでもできる簡単な仕事と思われがちだが、実際は一本でも線を写し間違えれば設計ミスや欠陥商品を生むことにつながる責任の重い仕事である。

何よりも細心の注意と正確さが要求され、さらに素早い処理能力が必要。根気のいる手仕事なので、几帳面で忍耐力のある人が適している。その点では、女性のほうが比較的向いているのかもしれない。

最近では、一部で機械化が進んでいるが、修正しながらトレースする複雑な仕事など、人間の判断が必要な部分は現在でも増え続けており、技能者への需要は根強いものがある。

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トレース技能は、機械製図がそのベースとなっている。この機械製図は機械、電気、電子、建築、土木、測量など工業生産物工程の作図部門や印刷出版部門など、産業と名のつくすべての分野で必要とされる。したがって、トレーサーの活躍する職場も建築業、電気・精密機器メーカーなど広範囲にわたる。

最近では、とりわけ情報処理印刷分野でのトレースの需要が急増している。また自宅でもできる仕事なので、フリーの人も多い
。現在全国で約5万人がトレーサーとして働いており、その8割が女性。

気になる収入だが、企業に所属してトレースの仕事をしている人の給与は、それぞれの企業が定める規定にもとづいて支給されるが、仕事の内容に応じて若干の技術手当のつくところも多い。

フリーの場合は、能率給と時間給にもとづいて支給される場合が多く、それが収入となる。資格がなくても仕事はできるが、文部省認定の技能検定なので、取得すれば社会的にも認められることになる。
地道な努力が必ず報われる

就職、転職などを有利にするためには3級以上を取っておきたい。

資格取取得方法
文部省認定、実務技能検定協会の実施する資格試験合格する。

受験資格 とくに制限はない。どの級からでも受験でき、また一人で2つの級を同日に受験することもできる。

試験内容 トレースの知識・技能の程度により4つの級位に分かれ、水準は次のとおり。

〈1級〉複雑な図および工業用図面を正しく美しく速くトレースすることができ、さらにJIS製図通則およびトレース技能の適応する各専門分野に関連した知識と印刷用原図として使用できる程度の高度な実技能力をもち、該当専門分野の技術指導ができる。

〈2級〉かなり複雑な図および工業図面を正しく速くトレースすることができ、JIS製図通則全般に関する基本的知識およびトレース技能が適応する専門分野について、図面作成上必要な基本的知識をもっている。

〈3級〉やや複雑な図および工業用図面を正しく美しくトレースすることができ、図面表現上必要なJIS製図通則の基本的事項を理解できる。

〈4級〉簡単な図および工業に関連する図面をトレースすることができ、図面作成上必要な初歩的知識をもっている。

実技試験(図面用文字や工業用図面などをインク書きしたり、トレースする)と理論試験(用具や用紙全般、JIS全般などの一般的知識)が行われる。
試験日・試験地 例年10月ごろ、全国主要都市約200会場で実施される。
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