1.女性も資格取得でキャリアアップや余暇の充実をはかるのが当たり前

女性も資格の時代といわれるようになって久しい。実際に希望の会社への入社を目ざして、キャリアアップを基盤がためとして、あるいは、充実した余暇のために、女性たちは資格取得に熱心である。

とくに最近は、伝統的に女性たちが多く進出してきた保母、栄養士などの資格にとどまらず、多様な資格にチャレンジしているのが特徴である。

インテリア・コーディネーターのような新しい資格を射程に入れるのは当然として、男性優位と考えられてきた司法書士、建築士、そして弁護士の分野にいたるまで、女性の受験者が目立つようになっている。
いまや男性並みの資格取得熱が、女性たちを動かしているといっていいだろう。

いい就職先の確保のために
その理由は、まず第一に仕事の確保のためである。学生たちは、少しでも自分の希望の会社なり職業なりにつくためのパスポートとして資格取得を目ざしている。現在大学3年のTさんは、女子大の文学部に在籍中だ。

就職先は「絶対に商社」と決めているので、趣味も兼ねて一年のときから英会話のレッスンに通ってきた。しかし、会話というのは形にならないので、英検もしっかり準1級を取得。それだけでは心もとないと考え、ワープロスクールで週1回講習を受け、ワープロ技能検定3級を目ざしている


2.家庭料理技能検定

収入面のメリットより、実生活で役立つ
毎回、テレビニュースなどで取り上げられる、ユニークな技能検定。今までほとんど日の目を見ることのなかった家庭料理技能にスポットがあてられた点が注目されている。

この技能検定で試されるのは、野菜を切る、むく、肉や魚をおろすなどの、誰もが行っている日常の調理の技術、それに、基礎的な食品に関する知識についてである。

こうしたものに客観的評価を与えるのは、健康で豊かな食生活をおくるためには、料理に関する豊富な知識と技術の向上が必要といった考えにもとづいている。男性の参加が多いのも、その意味では非常に望ましいことである。

誰にでも受験資格が与えられるが、収入の点ではこれといったメリットはなく、もっぱら実用性と趣味の意味あいが強い。

家庭で毎日料理に取り組むことが多い女性や腕におぼえのある男性が、気楽に受験し、その力量を発揮すれば評価される点がなんといっても一番の魅力だろう。

もともとこの技能検定は、学校法人香川栄養学園(女子栄養大学などの経営母体)が昭和38年から独自の民間試験として行ってきた。それを文部省が認定した形で今日にいたっている。この資格は、履歴書の免許・資格の構に堂々と、「文部省認定家庭料理技能検定○級合格」と書き込むことができる。

責格取得概要
取得方法文部省認定の「家庭料理技能検定」を受ける。
受験資格とくに制限はない。
試験日・試験地毎年1回、10月ごろ行われる。

試験内容
〈1級〉食品の露理上の性質の理解と料理への応用力を試す。和・洋・中国料理に応じた高度な「切る」「むく」「おろす」の実技。課題にあわせた献立の作成・調理。例は厚焼きたまご、千切り、飾り切り、とり肉の四枚おろし、若い来客へのもてなし料理など。

〈2級〉食品成分の変化の理解、高度な「切る」「むく」「肉・魚をおろす」実技。目的に応じた献立の作成と調理。例は魚の3枚おろし、大根のかつらむき、たまごどうふなど。

〈3級〉食品を調理するうえでの性質の理解、基礎的な食品の下ごしらえや「切る」「むく」、日常の家庭料理の献立の作成と調理。例は、焼き魚、大根の千切り、酢のものなど。

〈4級〉基本的な調理の特徴の理解。初歩的な「切る」「むく」の実技試験、および基本的な一食の献立と調理。問題の例としては大根の輪切り、りんごの皮むき、かき玉の汁など。

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