1.資格試験合格のために最初は基本を知ることからはじめよう

まず、敵を知ること
資格試験合格のための第一歩は、兵法にもあるとおり、「敵を知ること」である。

たとえば、これから受験しようと考えている試験が、合格者数および採用人員の枠が決まっている「競争試験」なのか、それとも合格基準点が設けられ、それをクリアした人が全員合格する狭義の「資格試験」なのかという性質の違いで、試験対策の練り方はずいぶん違ってくる

「資格試験」は、比較的、到達点を予測しやすい。たとえば、昨今人気の宅地建物取引主任者試験の場合、全部で50題出題され、そのうち70%以上の正解であれば合格と決まっている。

一方、「競争試験」では、その年の受験者のレベルによって合格最低点が上下するため、到達点が各種学校が実施する全国的な模擬試験にできるだけ参加し、自分がどのくらいの位置にいるのかを把握しておく必要があるだろう。

さらに、診療エックス線技師などのような、指定の学校や養成所を出ることが受験の要件になっている資格は、資格取得のために確実に年月を食うため、何年も前からの早めの準備が必要である。取得のためには、長い目をもった人生設計が求められるのだ。

さて、概要を知ったら、次は具体的な学習である。最初に勉強を進める段階では、過去に出題され問題にじっくり取り組むことで、かなりの傾向をつかめるだろう。場合によっては、そのままそっくり同じ問題が出題されることもあるし、そうでなくても、形を変えて出題されることは、しばしば見受けられる。

また合格者の多くは、「ひと通りの勉強が終わった後、過去の出題を解くことでその後の勉強にメリハリがついた」と異口同音に語っている。過去の問題に当たってみるのは、合格への道のりで、欠かせない準備といえるだろう。

あなたが目ざす試験の合格者に、直接会って、合格への体験談を聞くのも大切だ。資格試験の内容というのはかなり無味乾燥だが、合格までの道筋には合格者それぞれのドラマがある。そうした話は受験者を勇気づけるだろう。

また、「案外、試験場で欠席者が目立つので、倍率に惑わされないこと。気楽に受験すべきだ」「試験日はたいてい猛暑の最中なので、濡れタオルを持参する受験生が多い」といった話は、体験者にしかわからない「生きた情報」であるから、貴重である。

合格者だけが知っている試験のツボを聞き出すのも、非常に有益だ。もっとも、能力はもとより、経済条件、勉強可能時間など、置かれた条件は受験者各人によって千差万別である。

合格者のなかには苦しい受験時代のことなどいっさい忘れて、「いやぁ、毎日マンガ読みながら、楽々と合格にたどり着いたよ」などと話すものもいる。

その実、よく聞いてみると、会社を休み、1日平均10時間以上も机に向かっていたりすることもよくあるので、合格者の体験談をそのまま鵜呑みにしてはいけない。合格者に直接話を聞いたうえで、さらに市販の合格体験記に目を通し、合格者に共通しているものは何なのか自分なりに汲み取り、自分の状況に当てはめていくことが大切だろう。


2.未知の分野に取り組むときは「通俗本」から入る

基本を知るために、通俗本を3~4冊読む
はじめての分野に取り組むときには、どんな資格であれ、いつも通俗本を購入するところからはじめます。「通俗本」とは、「3時間でわかる」とか、「1週間でわかる」といったタイトルのついている、いわゆる入門書です。

書店に行けば、この類の本はたくさん並べられていますから、そのうちもっともわかりやすそうなものを3~4冊購入し、買ったそばからどんどん読んでいきます。

通俗本を1冊ではなく3~4冊も読むのは、こうした本には基本的に同じようなことが書かれているからです。
3~4冊も読めば、その分野の「基本」がおぼろげながらわかってきます。さらに、3~4冊も読めば、大事なことが自然と頭に入ってきます。

「ならば、1冊を3~4回読んでも同じなのでは~」という意見もありますが、そうは思いません。同じ本を3~4回読むのと、同じ分野の違う本を3~4冊読むのとでは、そこから得られる効果が全然違うのです。

というのも、初心者のうちは、多種多様な意見を聞くことが非常に大事です。著者が違えば、同じような事柄を扱うにしても、その見方には微妙な違いが出てきます。
つまり、違う人が書いたものを読むことには、いろいろな人の意見を聞くのと同じ効果があるのです。だからこそ、「同じ本」を3~4回読むのではなく、「同じような本」を3~4冊読むのです。

読むのを先延ばしせず、1週間程度で読み終える
なお、これらの本は買ったら、できればその日から、それが無理なら買った翌日から、1週間くらいで読み終えることを目標にしてください。

この手の本は、平易に書かれているので、通勤・通学の時間などを使えば、1週間程度で読み終わるはずです。

絶対に避けたいのが、買ったまま放っておくこと。読むのをダラダラと先延ばしにしてしまえば、ずっと読まないことになりかねません。さらに、読む際には、アンダーラインを引いたり、蛍光ペンでマーキングしたりする必要はありません。初心者の段階では、どこが重要なのかはまだ見極められないはずで、ムダなマーキングだらけになってしまいかねません。

通俗本を読むのは、次のステップに効率的に入っていくための手段です。「読み捨てる」感覚で、「ざっと目を通す」感じで読んでいきましょう。



3.朝に生活時間を移動させる

朝早く起きることがどうしても苦手だ。しかし、「朝に勉強したほうが効率がいい」と言われているので、何か良い方法を探している。 朝に勉強したほうが効率がいいというのは、受験生の中では周知のことだと思います。

それでも、朝は勉強しないという受験生は、おそらく「朝は頭が働かない」と考えているのではないでしょうか。 いままでの経験から朝と夜に勉強するのを比較した場合に、朝の方が1.5倍は効率がいいと感じたことはありませんか? 朝勉強するのに必要なことは、自分の生活時間を見直して通常、夜にやっていたことを朝にもってくればいいだけなのです。

仕事は、すべて早朝に済ませてしまうのです。 そして、朝食が済んでから、ゆっくりと執筆に取り掛かります。たったこれだけのことですが、執筆に入る時には充分に頭が活性化されているので、スムーズに仕事が進みます。

社会人は、仕事の時間はどうしても自分の自由には動かせないと思いますが、それ以外の時間の中で自分が夜、当たり前に行っていることを朝やってみるようにしたらいいのです。 たとえば、夜に好きなテレビを見ていた人は、DVDに録画して早朝に見たり、メールやパソコンのチェックも早朝にやるのです。

こうした毎日の楽しみを朝にもってくるだけで、早く起きるモチベーションのアップになるだけでなく、そのあとに勉強してみると、頭が活性化されているので効率良く進むはずです。
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