普段は考えたこともないかもしれませんが、多肢択一試験においては、「問題文の長さ」と「正解肢の位置」との間には、一定の関連性がある場合が多いのです。
つまり、
問題文が長い場合は、正解が後ろの方の選択肢にあることが多く、逆に問題文が短い場合には正解が前の方の選択肢にあることが多いのです。
これは、長文の問題で前の方の選択肢に正解をもってくると、それが正解肢であると判断できた瞬間に、後ろの選択肢は読み飛ばしてしまう受験生か多いからです。試験問題作成者も、無意識のうちにせっかく作った問題を読み飛ばさすに、全選択肢を検討してほしいと思っています。
ですから、長文の問題では後ろの方の選択肢を正解肢とし、最後の選択肢まで受験生に検討してもらおうとしているのです。逆に、問題文が短ければ、読み飛ばさすに、念のために他の選択肢も検討しようとする受験生か多いですから、全問題のバランスを保つために、前の方の選択肢に正解をおくことが多いのです。このような事実は、「多くの受験生は前から順に選択肢を検討する」という習性を巧妙に利用しています。そこで、これを逆手にとって利用してしまおうという訳です。
まず、試験時間が足りなくなりがちな人は、問題文が長い場合には、後ろから順番に選択肢を検討するようにするとよいでしょう。また、どうしても試験時間が足りなくて、適当にマークをしなければならない場合でも、問題文の長さによって、前の方の選択肢か、後ろの方の選択肢かを区別しつつマークをすると、あてずっぽうに解答するよりも、統計的に正解率がぐっと高まるのです。
資格試験の選択肢に用いられる表現は、それほど種類は多くありません。というのは、問われている内容自体が違っても、どの試験においても選択肢に使われる表現は、比較的よく似ているからです。そして、一定の表現に注目するとそれだけで正誤を判断できる選択肢もあります。この例が、「100%
表現」や「限定的用法」などです。
「100% 表現」というのは、「例外がない」「100% 正しい」という意味の表現をいいます。例えば、
「~は常に支払わなければならない」「~場合には、必ず事前に行う」というような表現です。このような表現を含む選択肢は、誤りである場合が多いのです。なぜなら、「世の中に例外がないような原則はほとんどない」からです。
試験の出題者としても、こういった問題を出題することによって、「例外を知っていますか?」という点を問うているのです。ただ、本当に例外なく「必ず」とか「絶対」といえるものもなかにはあるので、それに関しては注意をしておいてください。
また、「限定的用法」というのは、文章の内容を一定の範囲内に狭めるような表現をいいます。例えば、「~の場合に限り認められる」「~金銭のみである」という表現です。これらの表現を含む選択肢も、誤りであるケースが多いのです。先述の「100%表現」と基本は同じで、その限定した場合以外に一つでも例外があれば、その選択肢は誤りであるといえるからです。
ということで、特に「誤っているものはどれか」という問題においては、「100% 表現」や「限定的用法」を見つけるだけで正解に達する場合も多く、選択式の試験においては、大変有効なテクニックの一つになります。
出題者が問題を作る場合、一般的な傾向としては、まずその問いを通じて受験生に聞きたいテーマを決め、それに関する正解肢を作成します。次に、この正解肢がすぐに分かっては面白くないので、いわゆる「ひっかけ」となるような選択肢を作成します。
実は、この「ひっかけ」の選択肢は、正解肢の選択肢と形式がよく似ているケースが多いのです。そこでこれを逆に利用して考えてみると、形式的によく似ている選択肢が2つまたは3つある場合、それらの中に正解肢がある可能性が高いと考えられます。もちろん例外もありますので、すべての場合に成り立つとはいえませんが、どうしても解けない問題にぶつかった場合や時間が切迫しているような場合には、これらの選択肢から検討するのが賢明と言います。
形式的によく似ている選択肢を探す方法としては、各選択肢の文頭及び文末の表現に注意してみます。例えば、文頭が「AがBと契約を締結した場合」で始まる場合や、文末が「~の適用を受けることができない」で終わる場合などです。文頭、文末表現が共通しているような選択肢は、お互いに正解肢及びその引っかけの組合せである可能性が高いのです。
選択肢を残り2つにまで絞ったのに、どうしてもそのうちの片方に絞ることができないという場面に出くわす時があります、このような場合は両者を比較検討して「より正しい肢」を選ぶ過程が重要になります。
これらを比較する上での最終的な判断基準は、ずばり「常識」「直感」です。両者を比較し「このような結論は社会的に見ておかしい」とか「こんな結果では世の中が納得しない」と選択肢を排除すればいいのです。最初から常識や直感で正解を判断しようとする場合は失敗するケースが多いですが、2つの選択肢に絞った後で最終手段として使う分には正解に至る可能性が相当高くなります。選択肢を絞る手段としてではなく、正解肢を探すための手段としてこのような方法が有効といえます。
また、自分の直感を信じることはとても大切です。人間の直感というのは結構すごいもので、試験中に迷って答えを書き換えても、実は最初に書いた方の答えがあっていたという経験は、皆さんにも一度ならずともあるかと思います。見直しをしてみて明らかに間違っていた場合を除いて、基本的に一度決めた答えは変更しないのが鉄則です。とにかく、できる限り最初に自分が出した答えを信じるのが重要だと考えてください。
問題を解いていて「あっ、3番が3つも続いてしまった」などと思う場合がよくあるのではないでしょうか。このような時、その次の問題も正解肢が3
になると、いくら自信を持って解答していても、なんとなく不安になってしまうものです。ところで、選択肢はいくつまで連続して同じ肢が正解になり得るのでしょうか。
私の経験上では、5つというのが最大で、6つ以上同じものが続く場合はその中のどれかが不正解と考えられます。ですから、5つまでは自分の判断を信じてそのまま解答すべきですが、6つ以上続いた場合は、おかしいと思って印を付けておき、時間が余ったら戻って再検討するのが賢明といえます。
しかし、選択肢の出題比率に関しては、試験の種別によって様々です。例えば、平成9年度の司法試験短答式試験の「憲法」においては、全20問中正解肢が3番であるものが9問もありました。五肢択一の試験であることを考えると、約半分の正解肢が3番であるという比率は異常ともいえます。
逆に宅地建物取引主任者資格試験などは、各選択肢が平等な割合で正解になります。すなわち、1年分の正解肢(合計50問)を集計すると、選択肢1番、2番、3番、4番のそれぞれが正解となっている数は約12問ずつと、ほぼ等しくなっています。そこで、今度はこれを逆に利用して、自分に自信のある「宅建業法」で3番の選択肢が多かった場合などは、苦手なその他の科目で選択肢に迷った際に、3番の選択肢はなるべく避けるようにする、などの応用テクニックも使えるようになります。
選択問題で多い番号
4択
③
5択
④
最後の問題の一つ前が正解率が高くなる傾向にあります。
逆に①は確率的には低いです。
最近はランダムに問題を並び替えるようになっている場合があるので、絶好とは言えません。
出題者は,せっかく作った問題を最後まで読ませようとしたいので、最初の方は正解になりにくいです。
数字でどちらを選ぶか迷った場合には後ろの選択肢をマークする方が正解の可能性が高いようです。
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