技術士の試験内容と効果的な勉強方法

1.技術士の20の分野
技術士には大きくわけて20の分野があります。 現在の企業活動はより複合化・分業化が進み、様々な職種に分かれています。
機械部門
衛生工学部門
船舶部門
農業部門
航空・宇宙部門
林業部門
電気・電子部門
水産部門
化学部門
経営工学部門
繊維部門
情報工学部門
金属部門
応用理学部門
資源工学部門
生物工学部門
建設部門
環境部門
水道部門
総合技術監理部門

技術士になることによって実は具体的な特典が与えられています。 技術士または技術士第二次試験合格者には、他の国家資格で定める業務上の特典が与えられています。

例えば特定の技術部門で技術士第二次試験に合格した人は一般建設業の営業所専任技術者又は主任技術者と認められます。また、他の国家資格を取ろうとする場合その試験の全部又は一部が免除されることがあります。

例えば衛生工学部門で合格した人には,厚生労働省の労働衛生コンサルタントの筆記試験の一部が免除されています。 技術士補は技術士になるための技術士第二次試験を受験する際に、通常なら受験資格として必要な業務経歴7年が4年に短縮されるという大きな特典があります。


2.試験の内容
技術士になるための技術士第二次試験は、20の技術部門の中からあらかじめ受験者が選ぶ一つの技術部門と、さらに、その技術部門ごとに設定されたいくつかの選択科目の中から、あらかじめ受験者が選んだ一つの選択科目について行われます。

試験は筆記試験と、筆記試験合格者を対象とする口頭試験とからなっており、筆記試験では専門知識、業務上の技術的体験、応用能力等について問われます。口頭試験では業務経歴、専門知識、応用能力、技術士としての適正などが問われます。

技術士筆記試験
技術士の筆記試験は毎年8月(第一次試験は10月)の大変暑い時期にあります。新設の総合技術監理部門のみ10月に行ないます。ある人にいわせれば、論文トライアスロンというそうです。7時間にもおよぶ論文をひたすら書き上げるエネルギーは大変な要求量です。 だからこそ、この試験では徹夜勉強や一夜づけはさけるべきです。

本番の日は体調を万全に整えて、当日に持てる全部のエネルギーを使いきるつもりで行きましょう。 下書き原稿を用意し、一言一句まで記憶してから試験会場にむかわれる方もいるとのことですが、むしろ書くべき内容を箇条書きにしておき、記述の配分ベースを考えておいたほうが臨機応変に対応がきくと思います。


効果的な勉強をしよう
(1)出題傾向をつかもう
技術士試験においてどんな問題が出題されるか予想することは難しいのでしょうか。各部門ごと、そのヒントは過去問題の中にあるはずです。出題傾向から今後、試験問題にでる可能性があるのはどのような内容であるか見当がつかないか考えてみましょう。

(2)まず出題傾向を調べよう
まずは自分の受験する分野の過去問題を洗うことからはじめましょう。20部門のうち、毎年の出題がほとんど同じものがおよそ3割であるといわれています。その年に応じて内容が大幅に変るものがおよそ2割です。

残りの半分、5割は出題内容が過去問題と類似していて形式が少し変わったり、形式が類似していても部分的に中身が変更されたものが占めています。こうして見ると、予測のつく3割を確実にとること、残りの5割の部分をいかに予測し、どう対応してゆくかにかかってきます。

経験論文はほぼ毎年同じ問題が出ている(全体の得点の30%)
あらかじめ答案論文を作成しておき、それを暗記して試験に臨むことも可能です。本当に丸暗記をするのは大変ですし、そこまでやる必要はないし、個人的には無理なのであまりおすすめしたくはありません。しかし、多くの人が事前準備を行っているはずです。

毎年違う問題については(全体の得点の20%)
あらかじめ予想問題を考えて答案論文を作成しておいてもヤマが外れる場合もあれば当る場合もあります。ある意味でヤマをあてるということは、何が重要で、あるかということに対して勘が働くということでもあります。

試験問題を見てから解答を組み立てる技術を身につけていれば変化球に対してもついてゆくことができるというものです。形式が毎年変わる変化球型の出題に対しては暗記方式はききません。こういう場合、どうしたらいいのでしょうか。

なにはさておき自分の領域に近い問題、過去に近い内容をやっていて勘の働く問題を選択して、議論を組み立てます。まったく予想していなかった場合には、試験場のその場で論旨の縦糸と横糸を何とか組み合わせていかなければなりません。これは書きながら考えるということですが、大枠の枠組みを落ち着いて最初に考えましょう。

過去問題からの類推する部分(全体の得点の50%)
どんなに勉強した問題によく似ているとはいえ、出題の主旨に添った解答を組み立ててゆくことが必要です。この場合、記述内容が偏らないように意識しておかなければなりません。どうしても得意なところが詳細に、かつ大量になりがちで、不得手の箇所は薄くなりがちです。

原稿の枚数に指定がなくても、きちんと枚数を揃えて偏りのないバランスのとれた答案を書かねばいけないでしょう。「過去問題から類推することのできる50%」部分については、これはある程度過去問題を繰り返すことで着実に得点できる部分であるということもできます。
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