1.技術士の資格を目指して試験で準備することなどまとめ

技術の将来を見る的確な目が必要
技術をとりまく環境の変化のスピードはきわめて早く、インターネット、情報技術(インフォメーションテクノロジー)や生物技術(バイオテクノロジー)超微細技術(ナノテクノロジー)に代表される科学技術の進歩は我々の日常生活にも大きな変化を及ぼしてきています。

今日の我々の生活環境の利便性はいわゆるハイテク技術・産業の振興、エレクトロニクス関連技術の急速な発展がその基盤になっています。

こうしたハイスピードで進展する社会の中ではややもすると仕事上や業務の上でも自分自身の位置づけや立場がわかりにくくなるという問題点があります。テクノクライシスのように技術の進歩に置いてけぼりを食い、取り残されたような気分に陥る人も出てきます。

このような技術革新のまっただ中では、技術に対するしっかりとした視点を持ち、将来を展望していけるだけの的確な目、判断力が必要であるともいえるでしょう。

これから21世紀を明るくしていくためには、単に日本の繁栄のみではなく、地球全体のことを考えた視点が重要です。そのためにはグローパルに技術の 将来を的確に見る目を持った技術者の活躍が欠かせません。

新しい技術が次々とビジネスに取り込まれ、 一般企業も長くそこに留まり続けることは難しい時代が到来しました。こうした中にあって、日本が世界の中で生き残り、リーダーシップをとるための一つのキーワードは「科学」、「技術」であるといえるでしょう。

技術士は技術に関する国家資格の中でも最も高い評価の与えられている資格です。難関であることでも知られ、その合格率は1O~15%程度です。しかし、ことさらに恐れることはありません。方法と勉強の仕方さえ誤らなければ、必ず取得することができる資格です。チャレンジ精神でやってみましょう。


2.技術士とは何か
技術士法第2条(技術士の定義)によると、技術士とは「登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項について計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらの指導業務を行う者をいう」となっています。

ちょっと長くてわかりにくい定義ですがこの定義を頭に焼き付けてください。技術士試験とはこの定義に相当する仕事をしている、あるいはしてきた人であるかどうかを問う試験であるといえるでしょう。

「技術士」は技術士法に基づいて行われる国家試験(技術士第二次試験)に合格し、登録した人だけに与えられる称号です。 国はこの称号を与えることにより、その人が科学技術に関する高度な応用能力を備えていることを認定することになります。従って、技術士は科学技術の応用面にわたる技術者にとって権威ある国家資格と言うことができます。

技術士補とは「技術士となるのに必要な技能を修得するため、法定の登録を受け、技術士補の名称を用いて技術士の業務について技術士を補助する者」 のことをいいます。

技術士補は同じく「技術士法」に基づく国家試験に合格し、登録した人に与えられる称号です。技術士補は技術士となるのに必要な技能を修得するため、技術士を補助することになっています。

技術士補になるための技術士第一次試験の受験には、一切資格制限はありません。若手の技術者の方々や学生、自分の技術に関する知識水準を試してみたい人など誰でも受験できます。

現行の試験では、技術士第一次試験に合格すると技術士補、技術士第二次試験に合格すると技術士になる道が開かれることになります。

注意しておかなければならないのはどちらの資格も合格したのみでは技術士補または技術士と称することはできません。試験合格の後、登録することでこの言葉を使用することができます。この資格は医師・弁護士等のような業務独占資格でなく、無資格者が例えば技術コンサルタント業を行うのに「技術士」の名を用いてはならないという名称独占資格です。


3.試験のための準備に何をするのか
多くの資格試験は、たっぷりと時間をかけた試験勉強の時間が必要です。ことに忙しいビジネスマンには寸暇を惜しんで、通勤時間を活用しながら勉強するなどの厳しい自己コントロールを要するものです。

しかし、技術士試験の特徴はこうした勉強時間をことさら持つことのできないほど、仕事に打ち込み、成果をあげている人にこそ、その合格のチャンスが与えられる資格であるということです。これがなんといってもこの資格の最大の特色です。

特別の試験勉強というより、むしろ仕事そのものの専門性、独自性、技術力の向上などが、試験に反映されるわけですから、ある意味で仕事自体から得る知識や知見が、受験対策に直結する試験であるということができます。日々の仕事に打ち込みながら、効果的な勉強をしてゆくことで、高い評価を得ることができる、一石二鳥、三鳥の資格です。


試験のための準備に何をするのか
①受験戦略・戦術を立てる
だからといって試験の準備のために何にもしなくてもいいといっているわけではありません。それなりに戦略・戦術を立て、系統だてて試験のための準備をしなくてはいけません。

まずはあなたの今おこなっている仕事そのものの工夫をこらし、完成度を高め、その経験を糧にする、あるいは整理し、とりまとめてみることが必要です。

技術士に必要とされる技能として重要なことは、調査や研究をこなす、たくさん処理することだけではありません。加えて、プロジェクトそのものを組立て、リードし、上手にマネージする能力があるかどうか、独自の視点から工夫を加え、技術の発展に少しでも貢献できるのかが問われます。

したがって、もしあなたがプロジェクトを立ち上げたり、全体を指導する立場にある方なら、その能力をさらに研ぎ澄ますこと、またその立場にないのなら、一歩踏み込んだ仕事の進め方を研究する必要があるでしょう。


②技術士は「知る人ぞ知る」有効性の高い価値のある資格
技術士は「知る人ぞ知る」資格かもしれません。しかし、この資格の存在を知っている人は、大抵はその価値がたいへん高いものであることもわかっています。そしてこの資格を有していることによって業務がスムーズになったり、顧客の信頼度が増すということも知っています。

多くの技術士がこの名称が名刺に刷り込まれた時の高揚感とひしひしと感じる責任感を語っています。多くの場合、この名刺の中の「技術士」という肩書きによって対応する人の態度が尊敬の表情に変わるのを感じるそうです。もちろん人は名刺のみで仕事をするにあらず、ですが高い技術に関する技能と知識を持つ証しをとらない手はありません。いまからトライしてみる資格として不足なしです。


4.おすすめの参考書
おすすめの参考書はこちらです。
資格を取る上でのモチベーションを上げるための言葉や、実際に役立つ内容でした。



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