試験の全体像を理解する為のポイントをおさえて合格を目指す方法
勉強を進める上でもっとも大切なことは、全体像を理解することです。全体像を把握することには2つのメリットがあります。1つはゴールに向かって最短経路で効率的な勉強を行なえること。2つ目はある分野を勉強する際の理解を促進し、効率が上がることです。
ここで1つの例を用いて、全体像をとらえることの有用性について説明しましょう。
あなたは今、車でスタート地点から目的地に行こうとしています。
このときあなたならゴールまでどういった経路を選ぶでしょうか。
カーナビが使えるとすれば、最短経路を難なく進むことができるでしょう。ではカーナビは、どうやって最短経路を選択しているのでしょうか。まずスタート地点の位置を確認し、ゴールまでの全体像を把握し、最短の時間で目的地につく経路を選択します。そしてスタート地点に戻り、焦点をしぼってどの道がもつとも早く進めるかをあなたに提示します。
ここで注意すべきことは、確かにスタート地点からゴールまで近視眼的に見れば近い道があったとしても、実際ゴールにたどり着くのが早いとは限らないということです。まっすぐの道だけれども途中で渋滞しているかもしれません。もしくは、はじめはまっすぐでも、途中で大きく迂回しているかもしれません。
カーナビはそうした場合には、遠回りに見えるけれども、結局早く着く道を進むように指示してくれます。つまり、今見える範囲だけではなく全体を見据えることで、目的であるゴールにたどり着くのがもっとも早い道を選択してくれるということです。
このように、全体像を把握することが、自らの勉強の方向性の1つの指標となります。
そもそも今学んでいることは重要なことなのか、ほかのことと関連しているのか、知らなくてもいいのではないかといったことを、全体の中でとらえることができます。全体の流れや構造を考えずに、単純に今必要なことだけをがむしゃらに勉強していると、それが本当に重要なことなのか、あまり深くやらなくてもいいのか、がわかりません。
全体像を把握することで、全体の中での現在地の位置づけを理解することができるのです。これが1つめのゴールに向かって最短距離で進んでいくということです。もう1つの利点は、全体を理解することで各個別の部分についても理解が深まるということです。
ある事柄には、必ず背景や趣旨、つながりがあります。その背景を知らずに表面的なことだけを知っても、それは単なる丸暗記にすぎません。全体像がわかることによって、その中で今学んでいることはどういった意味をもっているのかも理解しやすくなります。
後述しますが、効率的な勉強を行なう上で有効な方法として、できる限り丸暗記をせずに、理解を重視する方法があります。この方法を用いるためにも全体像の理解は非常に重要な意味をもっています。それは、全体像がわかることで、その構成要素である個別分野もよりよく理解できるためです。ぜひ、全体像ということを意識してみてください。
そして、この全体像ということは予備校に行っていたとしても、独学であっても、必ず意識しなければなりません。
ぜひ、「全体像」という意識をもって勉強に取り組んでみてください。
まず、何らかの試験の受験をしようと決めたときにすべきことは、試験の全体像を知ることです。これをやらない人が非常に多いということに、少し驚いています。
合格までの道のりはどうなっているのか、マーク試験か記述試験か、試験科目は何か、どのような力が求められるのか、暗記が必要か理解か、勉強時間はどの程度必要なのか、試験日はいつで合格発表はいつか、科目ごとの合格はあるのか、免除科目はあるのか、合格に必要な点数は、点数のつけ方はどうなっているのか、申し込みはいつまでか、選択科目はあるのか……等々考えていけば、知っておいたほうがいいことは非常に多くあります。
しかしながら、受験をする人の中には、これらを調べずに、勉強を始める人が意外に多いのではないでしょうか。
それでは、なぜこのようなことを知らなければならないのでしょうか。それは簡単です。
合格までの戦略を考えるためです。この戦略を考えるということが、短期合格のためには非常に大切になります。予備校に通っている人は、この「戦略を考える」という点では、予備校頼みに陥っているのではないでしょうか。それは予備校がカリキュラムを用意していて、それに沿っていけば合格できると考えているためです。
しかし考えてみてください。先ほども述べたように予備校のカリキュラムに沿って勉強すれば必ず合格できるのでしょうか。
何千、何万という受講生がいる中で、カリキュラムは数個しかない。たとえば、勉強を始める時期が違ってもカリキュラムはほぼ同じです。そうなると当然、これからカリキュラム通りこなしていても間に合わないと考える人もいるでしょう。このとき、間に合わないと考えて受験をあきらめるのでしょうか。
そのような考えに対して私は、今からでも間に合う方法を考えて実践してみるべきだとアドバイスをします。決して予備校がダメだと言っているのではありません。
予備校は合格までのツールでしかありません。そのツールを最大限に生かして成果を出すという意識が大切なのです。
これは予備校という具体例を用いた一例ですが、なによりまず試験をよく知って、戦略を練ってから勉強を始めるということを念頭に入れておくべきです。
それでは試験についてどのようなことを調べればいいのでしょうか。合格率、試験科目、試験形式(論述・マーク)、合格者の決定方法、合格ラインは知っておいたほうがよいと言えるでしょう。
合格率は、受験者層のレベルを知ることとからめれば、勉強を始める際にどれだけの難易度の試験なのかを把握するいい指標となるでしょう。それによって、たとえば働きながらめざせる試験かどうかなど、計画を練る際にも利用できます。
試験科目については、何科目あってどの程度のボリュームがあり、どのくらいの勉強時間が必要かということの判断に用います。また、法律か数字か、暗記か理解かなど、試験科目の性質も知ることができます。
そしてこの際には、その試験科目が示す範囲がどこまでなのかということも一緒に調べるべきです。たとえば会計士試験では企業法という科目がありますが、これは会社法のみならず、商法や証券取引法も試験範囲に入っています。
科目名だけではわかりにくいこともありますので、実際の範囲を把握しボリューム感をつかむことが大切です。
次に試験形式については、マーク試験なのか、記述の試験なのかなどは当然確認すると思います。それだけでなく、その問題の性質や求められている力によって勉強法が大きく異なってきます。
マーク試験であっても、どのような選択肢のつくり方なのか、たとえば正しい選択肢を1つ選ぶのか、正しい選択肢の組み合わせを選ぶのかで難易度は大きく変わってきます。記述試験は、論述が多いのか、単語の出題が多いのかで、学ぶ内容に気となります。
試験によって、科目ごとに一定点数を超える必要があるものや、全体で合格ラインを越えていればいいものなどいろいろあるので、苦手な分野等があった際の意思決定に有効になります。
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