資格の取得はゴールではなくスタートライン
1.資格取得後、その資格を確実に実務へとつなげていきたい人に
「資格の取得」はゴールではなくスタートライン
努力が実り、資格を取得できたときの喜びや達成感はこの上ないものです。まず、家族や同僚を含め、周りの人の自分を見る目が変わることに気づくでしょう。
次に、自分自身で大きな自信をつかむことになります。この自信が自分の人生の展望を大きく広げます。
このように、資格がもたらす影響はケースによりさまざまです。例えば、先述のように企業によっては資格取得者に奨励金を給付したり、給料中で資格手当を出したり、出世の際の査定事項にしたりしています。
また、資格取得を契機に思いきって給与のよい会社に転職したりする大も、現代社会では珍しくありません。
しかし、周知のように資格の取得は「ゴール」ではなく、新たな「スタートライン」にすぎないのです。
資格を取得できればそれだけで仕事になるというような資格はほとんどなく、ビジネス社会の中では、「実務で行っている状況を把握する」作業が必要です。即ち、資格試験という「机上の学問」と実務はだいぶ異なるのです。
例えば、簿記検定1級に合格した人がいきなり経理課でばりばり働けるかといったらそうではありません。まずは、その会社の一般的な経理
事務を覚えなければいけません。もちろん、会計ソフトが使えることも前提です。
また、秘書技能検定1級に合格した秘書でも、会社に入って最初に学ぶのは「上司はどのような飲み物が好きなのか?コーヒーにミルクと砂糖はつけるのか?
」というように、あくまで現場に即したやり方です。
弁護士や、弁理士、税理士のような大型資格の合格者でも、試験に合格しただけの人に、安心して会社の重要な仕事はとても任せられません。
つまり有資格者となってからの実務経験によって、人はその分野でさらなる成長を遂げるのです。その成長を経て、はじめて企業側から見ても「本当にほしい人材」という評価を受けられるようになります。命短期間で取得できる資格こそがお薦め。
ただ、資格を取得しなければ、そもそもその「スタートライン」にすら立つことができないのはいうまでもありません。
たった1点差で落ちたとしても、合格者と不合格者の間に大きな差があります。残念ながら、毎年のようにこの「1点差」に泣く人が非常に多いのです。
とにかく一日でも資格試験に合格し、スタートラインに立つ準備が何よりも大切です。大型の資格を一気に狙うのもいいですが、中型・小型の資格からまず手始めに挑戦していくのがお勧めです。これならば、現実味を帯びた目標にむかって十分なやりがいをもって挑めます。
また、最近では、
ダブルライセンスという言葉が定着してきました。文字通り複数の資格を取得する意味ですが、関連資格の複数所有によって、人脈も仕事の幅も格段に広がってきます。
企業の資格手当などについても、手当支給額に上限がないという企業が35%を超えています。大型資格でなくても、ゴツゴツとお金につなげることは十分に可能なのです。
社会の中で生き残っていく手段として、いろいろな本や雑誌で「資格を取って自分を磨こう」という切り口で特集が組まれます。では、「自分を磨ける資格」とはどのようなものを指すのでしょうか。
一般的に、現代社会は「マニュアル化時代」だと言われています。実際には、そのマニュアルも一長一短なのですが、成功した者の書いたマニュアルを読んで、かなり露骨にその真似をしている人も数多く見受けられます。
しかし、十人十色というように、人間の興味や関心は個人個人で異なるものです。就職・転職活動での「自己アピール」がいい例です。付け焼き刃のマニュアル本に書いてあることしかできないのか」と思われるのが関の山で、とても
面接官に自分の魅力・意気込みまで伝えられません。
そこで、自分の個性を十分に発揮し、それを最大限アピールする手段の一つとして挙げられるのが「資格」です。
現在の日本には、私の把握している範囲だけでも3000種類にも及ぶ資格があり、いろいろな人々のニーズに合うよう、日々増設されています。だから
自分の最も興味の持てる分野で、「自分らしさを強調することができる」資格を取得すれば、自己アピールの手段としてまたとない武器にできます。
実際問題として資格は必ずしもすべてではありません。
パラダイムの変化や価値観の変化の中でも左右されない専門性と能力を副次的にアピールする材料が「資格」というものの位置づけかもしれません。
その一方で資格さえとれば何とかなるという発想は危険であり、あくまでもある仕事をするための必要条件としてとらえるべきでしょう。
したがって、やみくもに何でもかんでも資格を追い求めることはあまり意味がありません。
資格を取得すること自体は目的ではなく、手段であることを肝に銘じておく必要があるでしょう。資格をとるために行う勉強を通じて、仕事のベースを確認・学習する、知識を増幅するといった効果があるはずです。
また、その資格を取得していることによって、仕事を進める上での基礎知識があるという客観的な判断して使われることもあるわけで、流行などで判断するのではなく、本当に自分がやりたい仕事に深い関連性があるかどうか内容を吟味すべきです。
こうして見てきたように、これからの時代には何の分野であるにしてもスペシャリストとなる視点が重要です。これは強調しても強調しすぎることにはならないでしょう。
こうしたスペシャリストの中には時代ニーズから誕生したものもあれば、新たにクローズアップされてくるものもあります。
このような資格について多くの人は仕事のキャリアとその連続線上にあるものと位置づけられることでしょう。
あなたが興味を持ち、取り組んでいる仕事と方向性が近く、その知識を応用できるようなものにチャレンジされることをお奨めいたします。資格を取るためにはそれ相当の時間を要しますし必要性の低いものをいくつもいくつも取得することは意義の薄いことです。的をしぼり、自分にとっても有意義な分野に関するスペシャリストになることが重要です。
この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!